公務員給与の引き下げ
デフレとは経済が全体として縮小していくプロセスのことで 日本は1997年下期より現在のデフレ状況にあると思われる。家計・企業などすべてが縮小傾向になり その結果 再び家計と企業の経済行動を押し下げていくという構造である。さらに 地価・株価がそれに伴って下落し 景気悪循環を引き起こすことがデフレスパイラルと呼ばれるものである。
現在の日本経済は 歴史的な構造調整要因と昔ながらの循環要因が交錯しており 事態の本質を見極めるのが非常に難しいが デフレスパイラルの定義を「物価の下落が経済の量的縮小を次々に引き起こしていく現象」とすれば デフレスパイラルの現象は「物価の下落が企業の収益を減少させる」→「賃金など要素価格は下方硬直的になり企業の利益を減少させる」→「金利が高止まりして金融緩和の効果が薄らぎ企業の費用負担が増大する」→「設備投資の減少」→「雇用の減少」→「賃金所得の減少」→「消費の冷え込み」→「売れ残り在庫増」→「設備投資の減少」と言ったスパイラル現象を描き不況の迷路に陥る。
ここで特に注目しなければならないのは「消費の冷え込み」である。その要因は「雇用の減少」「賃金所得の減少」であるが もっと重要なのは「将来の生活不安」である。現状 雇用が確保されており 賃金所得に変化がなくても 将来の生活に不安が有れば消費活動は停滞する。
財政審 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の建議「2003年度予算編成の基本的考え方について」(素案)が29日 明らかになったが 歳出効率化のため 公務員給与の引き下げを含む総人件費抑制などを求めている。その理由として 民間では今春闘でベースアップゼロの企業が続出したほか 人員削減の動きが広がっていることなどが背景にあり 企業がリストラを進める一方で「官も痛みを分かち合う必要がある」と判断したそうだ。
確かに一般企業に比べ 公務員の雇用の安定 収入の安定は羨ましくも有り税金で食っている連中だけが良い思いをして何だ とも思えるが その安定が消費活動停滞の歯止めになっているのも事実である。ここで公務員の将来所得 将来生活に不安を与えれば 消費の冷え込みは一段と激しくなるだろう。民間に合わせて公務員の給与を引き下げるのではなく 公務員並に民間の給与を安定させない限り デフレスパイラルはとどまる所を知らないだろう。
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