正しいダイエット
ダイエット用健康食品の被害が相次いで報告されている。ダイエットは正しい知識と正攻法で行いたいものだ。基本は脂肪細胞の数を増やさない事 これは親の責任。肥満でもないのにダイエットして体を壊す これは自分の責任。
産経新聞 正論から 筑波大学 村上和雄名誉教授
摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ると そのエネルギーが脂肪に変えられて脂肪細胞に蓄えられる。これが肥満の原因である。摂取エネルギーが多すぎるか 消費エネルギーが少なすぎるかのいずれかである。これで注意をしてほしいのは 過食は大食とは同じではなく いくら大食をしても充分にそのエネルギーを運動などにより消費すれば 肥満にはならない。
肥満には2つのタイプがあり その1つは 脂肪細胞数そのものが増加する肥満である。人間は 一生の間に3回脂肪細胞の数が増える時期がある。妊娠末期の胎児期 生後1年間 思春期の3回である。いったん増えた脂肪細胞の数を減らすのは難しいので これら3回の時期に余分なエネルギーをとらず 脂肪細胞数を出来るだけ増やさないようにする必要がある。もう1つは 中年以降に肥満となる いわゆる 中年太り 脂肪細胞の数は正常でも そのサイズが肥大している。細胞肥大型肥満はダイエットには成功しやすい。
他の人と同じような食事を摂取しても私だけがなぜ太ると嘆いている人がいるが 肥満にも個人差があり 肥満と関係のある遺伝子は何十種類も見つかっている。例えば 脂肪分解などに関わる物質の遺伝子に変異があると肥満になりやすいといわれている。しかし たとえ太りやすい遺伝子を持っていても 食べ過ぎなければ肥満にならない。
肥満が多くの生活習慣病の引き金になることはよく知られており ダイエットの情報が巷に溢れている。その情報の中には健康を害するような間違った情報も多く含まれている。特に 若い女性のやせ願望は 私どもの理解を超えたものである。体脂肪率が正常で減量の必要が全くないのに「痩せている方が美しい」との思いこみから無理なダイエットに走って子供が産めなくなり 病院を訪れる若い女性が多い。最近の研究で脂肪細胞が50種類以上の生理活性物質や ホルモンを分泌してきたことが分かってきた。体内の脂肪が少なすぎると ホルモンなどの分泌のバランスが崩れるのである。
【平成14年8月20日記載分】
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